上司と始める秘密の子作り契約?!~あなたのことを好きになってもいいですか~
 そんな邪な思いは本音だが、あかりの気持ちに寄り添うつもりももちろんあった。

 蓋を開ければ寂しさの極致にいたあかり。孤独に(さいな)まれて壊れてしまうのではないか、不破は話を聞いているときそんな感覚に襲われてなんとかそこから救い出してやりたくなった。
 
 あかりは他人ではない、家族を求めている。自分と繋がる血を必要としている、そこに不破は該当されない。それを言われてショックだったのも事実だ。

 だから提案した、投げかけた。誰かもわからない人間と繋がろうとするあかりをどうしても許せなかったのもある、誰でもいいと思うな、そう思った。

 誰でもいいと思うなら――。
 
 それなら自分の手であかりの求めるものを植え付けたい、そして、そのままあかりごと自分のものにしたかった。


「風邪ひくなよ」

 夜風はまだ冷たい、冷えてきた夜に肌を撫でる風はひんやりし過ぎていた。それでもあかりは心地よさそうに風を感じて目の前に広がる庭園を眺めている。
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