【コミカライズ原作】上司と秘密の子作り契約始めます~あなたの子供を産んでもいいですか~
 例の異動してきた新藤真琴は男かと思いきや可愛い女子だった。帰国子女で英語はペラペラだが日本語がいまひとつ……簡単に言えば文章を書く能力が低かった。
 
 丁寧語、尊敬語、謙譲語、その辺のオフィス用語が全面的に苦手そうで書類関係の修正がひどい。本田はそれに手を焼いていて最近はあかりにとばっちりがきている。

「いいよ。私が見ておく。これだけ?」

「あとフォルダにもあるんですよ、ちょっといいっすか?」

 そう言って背中越しでマウスを触ろうとしてきて思わず身構えた。背後から囲われるような体勢ははたからはどう映るのか。内心は不快だ、いい気分はしない。もう少し距離を取ってほしい、そう思うが簡単に口にはできない。

「あ、すんません。ちょっと借りますねー」

 一瞬手が触れたが本田は軽く謝るだけ。その行為に特に何も思ってなさそうだったがどこまでわかってやっているのかわからない。フランクと言えばそうだが若者らしいフットワークの軽さ、歳の差のせいか、自分が自意識過剰なのかもしれないが、少し馴れ馴れしいとは感じている。

「これです、この報告書……マジひどいっすよ」

 会話の内容のせいだろうけど耳元で囁くように言われてあかりはゾッとした。
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