Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー
「話って何かな?」
小夜は少女が怖がらないように、優しく言った。
少女はカップの容器に入った飲み物をストローで吸って喉を潤し、小夜の目をみた。
「小夜さんは、落合広之の事、知っていますよね?」
「・・・うん。」
容疑者とはいえ、まだ決定的な証拠がないからか、小夜の名前はマスコミに報道されていない。
何故この少女は自分と広之の関係を知っているのだろうか?
小夜の疑問に答えるように、少女は黄色いスマホとは別に、黒い携帯電話を、マスコットが沢山ぶらさがったリュックから取り出した。
「私は吉沢玉穂と言います。この携帯は落合広之の携帯です。落合が私専用に使っていたものです。」
広之は自分のスマホ以外にも、この吉沢玉穂との通話専用の携帯電話を持っていたらしい。
しかしそれを今現在、何故玉穂が持っているのだろう?