Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー
公園のベンチで桂木と野間は休憩した。
桂木は煙草を吸い、野間は缶コーヒーを口にする。
太陽は傾き、辺りは薄暗くなって、公園にもう子供の姿はない。
18時から18時半までの小夜とみのりの通話記録はすでに確認済みだった。
今日の聞き込みはその念押しだ。
「うーん。調べれば調べるほど、下条小夜の心証はシロなんだよな。」
野間がため息をつく。
桂木も同じ思いだ。
だが小夜が18時に在宅していても確固たるアリバイにはならない。
犯行を終えて、加藤みのりと電話をすることは時間的には可能である。
「おい桂木。どうして下条小夜のペットの名前を知っていた?そんなことまで捜査資料に載っていなかったぞ?お前の女はやっぱり下条小夜なんだな?」
そう鋭く突っ込む野間を、桂木はいつものように無視した。
「まあ、俺は誰にも何もいわないけどさ。でも他の奴らに気づかれないよう気を付けろよ。」
「・・・ああ。頼む。」
桂木は野間の言葉を否定せず、煙草の煙を肺に吸い込んだ。