Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー

「・・・どうして私は釈放されたの?」

小夜の問いに、桂木が短く言った。

「お前のアリバイが証明された。」

「アリバイ・・・?」

「お前は図書館からアパートに帰った直後、隣に住む三笠ヤエに本を貸しただろ?あの時間アパートにいたお前に、犯行は不可能だ。」

「あ・・・。」

小夜はそのときの記憶を思い出し、小さく微笑んだ。

「ヤエさん、あの本を見て、すごく喜んでくれたんだったっけ。」

「よくそんな暢気なことが言えるな。あの証言がなかったら、お前は真犯人(ホンボシ)にされるところだったんだぞ!」

「・・・ごめんなさい。」

桂木は、真面目な顔に戻った小夜の頬を、愛おしげに撫でた。


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