Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー
「仮にあの子が犯人だったとしても、情状酌量の余地があるだろう。落合はあの子を散々食い物にしたらしいからな。」
「・・・・・・。」
「だが、俺は吉沢玉穂が犯人だとは思っていない。吉沢玉穂の両親の証言でわかったことだが、あの子は幼い頃から病弱だったらしい。そんな力の弱い子が落合をメッタ刺しにすることなど出来ないだろう。」
「・・・私もそう思う。桂木さん。本当の犯人を早く捕まえて。」
「ああ。小夜は俺のマンションで大人しく待ってろ。俺は仕事に戻る。・・・今夜は寝かせねえからな。」
桂木の低い声が小夜の耳に甘く響く。
小夜を車から降ろすと合鍵を渡し、桂木は再び車を発進させ署へと戻っていった。