Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー
車の助手席に小夜を乗せ、桂木は故郷へ続く国道を走っていた。
小夜は都会から自然豊かな土地へ移り変わる景色を、目を輝かせながら眺めている。
溜まっていた有給休暇をまとめて取り、桂木は小夜を連れて実家のある新潟の海辺の町を目指していた。
途中、食事休憩にパーキングへ車を止めた。
フードコートで桂木はカツ丼、小夜はカレーライスを注文した。
「桂木さんのお父さんってどんな人?」
小夜の問いに、桂木はしばし無言になり、そして言った。
「厳格な父親だった。でも・・・俺の運動会には必ず見に来てくれる、そんな律儀なところもあったな。」
「私のこと、認めてくれるかな・・・」
小夜が不安そうに目を伏せる。
桂木は小夜の心を解すように言った。
「誰が認めなくても、俺には小夜が必要だ。」
「うん・・・。」
それでも小夜は浮かない顔をしていた。
「でも、やっぱり桂木さんを育てた人に、認められたいな。」