Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー
「そういえば・・・今日、小夜先輩来てたね。」
美緒が蔑んだ口調でそう言った。
「まあ・・・舞先輩とは仲良かったもんね。」
「小夜先輩って落合先輩と付き合ってたじゃん。でも落合先輩、小夜先輩のこと、そんなに好きじゃなかったみたい。仲間内では、あいつの取り柄は顔と身体だけだって言ってたらしいし。」
美緒はそう得意気に言った。
「ええー?!小夜先輩可哀想!ずっと馬鹿にされてたってわけ?」
「それでね。最近落合先輩と小夜先輩、ついに別れたらしいよ。実は落合先輩、会社辞めて実家の商売を継ぐんだって。酒屋だったのをコンビニに改装したって・・・。なんでもその資金繰りに困ってたけど、ようやく目処がたったらしいって噂聞いた。それに・・・」
「それに?」
「落合先輩、もうすでに新しい彼女がいるっぽい。」
「うわー。もしかして小夜先輩、二股されてたってこと?」
「あははっ。小夜先輩、落合先輩と結婚したかっただろうにね。」
「私なら嫌だー。そんな男。」
「そう?私は落合先輩、嫌いじゃないけど。ルックスいいし、頭もいいし。」
美緒は少しおどけながら言った。
「美緒、趣味悪っ。だからあんた彼氏出来ないんじゃない?」
「は?彼氏いるに決まってんじゃん。馬鹿にしないでよね。」
紀子の言葉に美緒は不機嫌な声で答えた。