Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー

桂木の住むマンションは目黒区にある瀟洒な建物だった。

オートロックの鍵を開け、ふたりでエレベーターに乗り込んだ。

不安そうな顔を見せる小夜に桂木が言った。

「大丈夫だ。お前は俺が守るから安心しろ。」

「私なら大丈夫です。でも貴方の立場が悪くなってしまわないか・・・それだけが心配です。」

「じゃあ、早くホシを見つけねえとな。ほら、着いたぞ。」

7階でエレベーターのドアが開き、桂木は702号室の前で止まった。

鍵を開け、小夜を部屋の中へ促す。

暗い部屋の明かりを付けると、廊下を抜け、奥に広いフローリングのリビングがあった。


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