Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー
広之はサークル内では小夜を優しく扱った。
きっと目立たない小夜を温かく見守る王子様キャラを演じたかったのだろう。
サークルの後輩女子には「小夜先輩、落合先輩みたいな彼氏がいていいなあ。」と羨ましがられた。
「そうだろ?な?小夜。」
そう広之に肩を抱かれ、そのときだけは小夜の優越感が満たされた。
もっと明るく振る舞え。
もっとハキハキ話せ。
そう言われる度に、小夜は自分なりに努力をした。
小夜は広之の言われるままに従い、求められればどこででも身体を開いた。
「それってモラハラじゃない!もう別れなよ。」
小夜を心配するみのりにそう助言されても、小夜は曖昧に笑い、こう言った。
「でもね、そんな我が儘な広之をわかってあげられるのは私だけだから。」