Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー
「店長ですか?正直やばかったっすね。あの人。」
落合が店長を勤めていたコンビニエンスストア「エルキッチン中央池袋店」のバイトリーダーである酒井は、ためらいもなくそう言った。
「店長のくせに店のものを勝手に持ってっちゃうし。それにあの人、ちょいちょい仕事を抜け出すんですよ。俺らバイトにはちょっとでも遅刻するとネチネチ嫌み言うくせに。あれ、絶対にオンナっすね。あの人エロいもん。」
「その女について、酒井さんは何か知っていませんか?」
それは桂木が一番知りたいところだった。
落合には小夜と別れた後、すでに女がいたのではないか?
そしてその女に恨まれ、殺されたのではないか?
「んー顔とか名前はちょっとわかんないっすけど、よく電話してましたよ。マホちゃんって子に。」
「マホ・・・。」
桂木と野間は顔を見合わせた。