Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー

夜中だと言っても油断は禁物だ。

署では重要参考人である小夜が飛んだということで、小夜への容疑が深まっていた。

捜査一課では小夜の居場所の特定を最重要案件としているらしい。

小夜は勤め先のファミレスを電話一本で辞め、買い物も宅配を利用し、極力外へ出ない生活を送っている。

その自分が桂木と一緒にいると知られたらと思うと、胸がきゅっと締め付けられるように痛んだ。

自分はどうなってもいい。

けれど桂木が白い目で見られ、大切な職を失ってしまうことが怖い。

小夜は黒いブラウスにGパンを履き、桂木から借りたグレーのキャップを目深に被った。

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