Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー

ガラス張りの壁から、桂木は取調室に座る小夜の姿を見た。

胸が張り裂けそうな思いを堪え、じっと様子をみつめる。

小夜が桂木の部屋に初めて来たときの服装は今でも覚えている。

絹の白いワンピース

そしてやはり白のパンプス。

私、ウエディングドレスを着た花嫁みたいでしょ?

はしゃいだ声で小夜はそう言い、桂木の車の助手席に座ったのだ。

しかしいまの小夜の服装は、ボーダーのTシャツにジーンズ、白いスニーカー。

まるで囚人服のようだ。

そしてその表情は黒いセミロングの髪に隠れている。

ただ肩を落とし、項垂れ、微動だにしていない。

小夜・・・何故なんだ・・・

桂木は大きく息を吸い込み、そして吐き出すと、調書係の野間と共に取調室へ入った。

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