Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー
「あの日の午後・・・私は本を借りるために図書館へ行きました。飼っている文鳥のお世話の仕方をもっと知りたくて・・・。題名は覚えていませんが小鳥の本を見つけて借りようとしました。そして雑誌のコーナーに目を向けました。そこには『初めての赤ちゃん』という雑誌が置いてありました。私はその雑誌の可愛い赤ちゃんの表紙を見て、涙が止まらなくなって・・・。私を捨てた落合広之に対する恨みと憎しみが心に溢れたんです。そして落合さんへの殺意が芽生えました。」
「その後、どうした?」
「図書館を出て、近くのスーパーで包丁を購入しました。」
「図書館を出たのは何時頃だ?」
「多分・・・夕方4時過ぎだったと思います。」
「包丁を購入した店の名前を教えてくれ。」
桂木の鋭い声に、小夜は顔を上げた。