true or false~銀縁眼鏡を外した敏腕弁護士は、清純秘書に惑溺する
「ご注文は決まりましたか?」
「あっ、はい・・・カフェラテだけで」
「かしこまりました」
言葉が終わると同時に、私のお腹が『グゥー』と、マスターに聞こえるほど鳴った。

恥ずかしくて、お腹を押さえて俯くと、
「しばらくお待ち下さいね」
手際よくパンにスクランブルエッグを挟んで半分に切ると、1つお皿に入れて、カフェラテと一緒に目の前に置いた。

「丁度、私もお腹が空いてましてね。半分で申し訳ないですが、どうぞ」
「で、でも・・・」
唇の前に人差し指をあてて、小さな声で「内緒です」と囁いて、ウィンクした。

ドクンッ・・・
私の心臓が強く打つ。
「あ、あ、あの・・・」
お礼を言おうと顔を上げた時には背を向けて、他の注文の珈琲を準備していた。

こんな感情・・・初めて・・・
大人の男性って魅力的。
嬉しくて、でも勿体なくて、サンドイッチを味わって食べていると、
「ご馳走様」
さっき来た女性が、マスターに声を掛けた。
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