あのコワモテ先輩が距離感バグな件について

（……そのうち準備室も整理整頓がてら掃除した方がいいかな……？）

　埃っぽい空気の中を進みながらそんな事を考える。友人が少ない優月は教室にいるよりも、学校の奥に位置し人気が少なく静かな図書室に居る事の方が多い。それならばと教室よりも図書室の掃除の方が積極的にそんな考えに至るようだ。

「……ぁ、あった」

　そうしているうちに脚立を見つける事が出来た。そのままその脚立に駆け寄り自分の身長程ある脚立を運び出そうと掛け声を出す。