新海に咲く愛

5.監禁

その日、奈緒はスイミングスクールに行くことを許されなかった。
貴弘は彼女を家に閉じ込め、外に出さないよう厳命した。

「母さんから聞いたぞ。スイミングスクールで何やってるんだ？ 俺たち家族の恥になるようなことするなよ。」

その言葉に奈緒は何も答えられなかった。
ただ黙って従うしかない。
彼女の自由は完全に奪われていた。


家の中で奈緒はただ時間を過ごすだけだった。
窓から外を見ると、自由に動き回る人々が見えた。　
その中に海斗の姿がちらりと見え、彼女は小さく息を吐いた。

「私、もう逃げられないのか？」

その疑問が彼女の心に浮かぶ。
だが、同時に「誰か助けてほしい」という小さな願望も湧き上がった。
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