新海に咲く愛
貴弘は力づくで奈緒をプールサイドへ連れて行き、人目につかない場所へ追い詰めた。

「俺たちはまだ終わっていないんだよ！ お前は俺のものだ！」

「もうやめてください！ 私にはもう関係ありません！」

奈緒は必死に抵抗した。
しかし、その言葉に逆上した貴弘は、彼女の頭を押さえつけてプールへ突き落とした。

「お前には俺しかいないんだよ！」

水中でもがく奈緒。
頭を押さえつけられ、水中で息ができず苦しむ彼女の姿。
それでも貴弘は手を緩めることなく力強く抑え込んだ。


その瞬間、遠くから走ってくる足音が聞こえた。異変に気づいた海斗だった。　

「奈緒さん！！」

海斗は全力でプールサイドへ駆け寄り、そのまま水中へ飛び込んだ。沈みゆく奈緒を抱き上げ、水面へ引き上げる。
その間に貴弘は驚きながらも逃げ出そうとした。
水中から引き上げられた奈緒は意識を失っていた。海斗はすぐさま心臓マッサージと人工呼吸を始める。

「頼む……目を開けてくれ……！」

必死な思いで蘇生措置を続ける海斗。
その背後では山崎率いる警察官たちが到着し、逃げようとする貴弘を追い詰めていた。
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