新海に咲く愛

9.結婚式

奈緒と海斗の結婚式は、二人のこれまでの歩みを反映した温かく感動的なものだった。

式場には親しい友人や家族が集まり、柔らかな光が差し込む中で行われた挙式は、まるで二人の新しい人生を祝福するかのようだった。

奈緒は純白のウェディングドレスに身を包み、バージンロードを歩いていた。
その手を引くのは奈緒にとって家族同然となった山崎だった。
彼は父親代わりとしてその役目を引き受けた。

「お前、本当に幸せになれよ。」

山崎が小さく囁くと、奈緒は涙を浮かべながら頷いた。 
祭壇で待つ海斗は、彼女の姿を見た瞬間に目を潤ませた。
「綺麗だ……」という言葉が自然と口から漏れる。

それに気づいた奈緒もまた微笑み返した。


誓いの言葉では、二人がそれぞれ自分で書いた言葉を読み上げた。海斗は真剣な表情で語り始める。

「奈緒さん、あなたと出会ってから俺の人生は変わりました。最初は助けたいという思いだけでした。でも今では、あなたと一緒に未来を作りたいと思っています。これから先、一生あなたを守ります。」

その言葉に会場中が静まり返る中、奈緒もまた涙ながらに答えた。

「海斗さん……私はずっと怖くて、自分には幸せなんて似合わないと思っていました。でもあなたが私を救ってくれて、私に生きる意味を教えてくれました。これから先もずっと、一緒にいてください。」

二人の誓いが交わされた瞬間、会場から大きな拍手が沸き起こった。
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