新海に咲く愛

披露宴ではゲストたちが二人への祝福を送る中、奈緒と海斗はお互いへの感謝と愛情を感じていた。

ケーキ入刀や友人たちからのスピーチ――すべてが二人にとって忘れられない思い出となった。

夜になるとガーデンでキャンドルリレーが行われた。
ゲスト全員がキャンドルを手に持ち、その光が次々と繋がっていく様子は幻想的だった。その中で海斗は奈緒の手を握り、小さく囁いた。

「これからもずっと一緒です。」

奈緒は微笑みながら頷いた。

「はい……ずっと一緒です。」

披露宴が終わり、新居へ戻った二人。

部屋には赤いバラの花びらが敷き詰められ、キャンドルの柔らかな光が揺れていた。
その空間には甘い香りと静かな音楽が流れ、特別な夜を演出していた。

「すごい……こんな準備してくれてたんですね。」

奈緒が驚きながら部屋を見渡すと、海斗は少し照れたように笑った。

「今日は特別な日ですからね。奈緒さんに喜んでもらいたかったんです。」

食事も済ませた後、二人はベッドサイドで向き合った。海斗はそっと奈緒の手を取り、その指先に軽くキスをした。

「本当に綺麗です。今日だけじゃなくて……いつも。」

その言葉に奈緒は顔を赤らめながらも、
「ありがとうございます」と小さく呟いた。

しかし、その目には少しだけ不安な色も浮かんでいた。それに気づいた海斗は優しく彼女の髪に触れながら囁いた。

「無理しなくていいですよ。ただ、一緒にいるだけで俺は幸せなんです。」

その言葉に奈緒は安心したように微笑み、
「私も……同じ気持ちです」と答えた。

ベッドに横になりながら、海斗はそっと奈緒を抱き寄せた。
その温もりだけで彼女の心には安心感が広がっていった。
そして彼はゆっくりと唇を重ね、そのまま彼女の首筋へと優しくキスを落としていった。

「海斗さん……」

奈緒が小さく名前を呼ぶ声には緊張と期待が混じっていた。それでも彼女はその瞬間、自分自身が完全に守られていることを感じていた。

彼の手がそっとドレスの肩紐へ触れる。

その動作ひとつひとつには焦りや強引さなど一切なく、ただ彼女への愛情だけが込められていた。

「大丈夫？」
耳元で囁かれる声。

その優しさに奈緒は小さく頷き、「はい……」と答えた。

そして二人はゆっくりとお互いの距離を縮めていった




結婚式と初夜を終えた翌朝、奈緒は柔らかな朝日が差し込む中で目を覚ました。
隣にはまだ眠っている海斗の姿がある。
彼の穏やかな寝顔を見つめながら、奈緒はふと昨夜のことを思い出して頬を赤らめた。

「……本当に私、幸せになっていいんでしょうか……」

小さく呟いたその声に、隣で寝ていた海斗が目を開けた。

「おはよう、奈緒。」

海斗は少し寝ぼけた声で言いながら、奈緒の髪にそっと触れた。

「お、おはようございます……！」

奈緒は慌てて布団を引き寄せながら答えた。その仕草に海斗は笑みを浮かべる。

「そんなに照れるなよ。もう夫婦なんだからさ。」

「そ、それでも……まだ慣れなくて……」

奈緒が恥ずかしそうに言うと、海斗は優しく彼女の手を握りしめた。

「ゆっくり慣れていけばいいよ。俺もまだ実感湧いてないしな。でもさ、これから一緒にいろんなこと乗り越えていこうな。」

その言葉に奈緒は小さく頷き、

「はい……よろしくお願いします」と答えた。