新海に咲く愛
結婚式と初夜を終えた翌朝、奈緒は柔らかな朝日が差し込む中で目を覚ました。
隣にはまだ眠っている海斗の姿がある。彼の穏やかな寝顔を見つめながら、奈緒はふと昨夜のことを思い出して頬を赤らめた。

「……本当に私、幸せになっていいんでしょうか……」
小さく呟いたその声に、隣で寝ていた海斗が目を開けた。

「おはよう、奈緒。」

海斗は少し寝ぼけた声で言いながら、奈緒の髪にそっと触れた。

「お、おはようございます……!」

奈緒は慌てて布団を引き寄せながら答えた。その仕草に海斗は笑みを浮かべる。

「そんなに照れるなよ。もう夫婦なんだからさ。」

「そ、それでも……まだ慣れなくて……」

奈緒が恥ずかしそうに言うと、海斗は優しく彼女の手を握りしめた。

「ゆっくり慣れていけばいいよ。俺もまだ実感湧いてないしな。でもさ、これから一緒にいろんなこと乗り越えていこうな。」

その言葉に奈緒は小さく頷き、「はい……よろしくお願いします」と答えた。
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