新海に咲く愛
それから数週間後――


新居周辺で不審者の目撃情報が相次ぐようになった。
山崎から連絡を受けた海斗はすぐに警戒態勢を強化した。

「山崎、本当に貴弘なのか?」

「ああ、多分間違いないだろうな。でも安心しろよ。こっちもちゃんと見張ってるから。」

山崎の言葉にも関わらず、海斗の胸には不安が広がっていた。

「もしまた奈緒に危害が及んだら……」という思いだけが頭から離れない。

そんな中でも二人の日常は続いていた。

しかしある夜――


リビングでテレビを見ていた二人の耳に、不意に窓ガラスを叩く音が聞こえた。その音に奈緒は怯えた表情で立ち上がる。

「何ですか……?」

「俺が見てくる。」

そう言って立ち上がった海斗。しかし窓際には誰もおらず、不気味な静けさだけが残されていた。
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