新海に咲く愛
事件後、警察署で事情聴取を受けた後、二人はようやく家へ戻った。
 
リビングで座り込んだ奈緒は、大きく息を吐きながら呟いた。

「怖かった……」

その声にはまだ不安が残っていた。
しかし隣に座った海斗が彼女の手を握りしめ、

「終わったよ」と力強く言った。

「もう大丈夫だ。これから先、お前には笑顔だけでいてほしい。それだけでいいんだから。」

その言葉に奈緒は涙ぐみながら微笑んだ。

「ありがとうございます……本当に……」


それから数ヶ月後――


二人の日常には平穏が戻っていた。
過去の傷跡も少しずつ癒え、奈緒もようやく心から笑えるようになっていた。

そしてある日、公園で散歩している時、ふと立ち止まった奈緒が小さく呟いた。

「私、本当に幸せです。」

その言葉に海斗も微笑みながら答えた。

「俺も同じだよ。でもこれからもっと幸せになろうな。一緒にな。」

二人は手を繋ぎながら歩き出した。
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