新海に咲く愛

12.新しい生活

新居では咲を迎えるための準備がすでに整えられていた。

ベビーベッドやオムツ替え台、小さな洋服――すべてが二人の手で用意されたものだった。

咲をベッドに寝かせると、奈緒はその小さな顔をじっと見つめながら呟いた。

「本当に……夢みたいです。」

その言葉に海斗も頷きながら、

「俺もだよ。でもこれは現実だからな。これからもっと幸せになろう」と優しく答えた。

そして二人は手を繋ぎながら、小さな命を見守り続けた。


数ヶ月後――


咲が生まれてから初めてのお宮参りの日。

二人は晴れ着姿の咲を抱きながら神社へ向かった。
境内では家族写真を撮影するため、多くの人々が集まっていた。

写真撮影の際、カメラマンから「はい、笑ってください!」と言われると、海斗も奈緒も自然と笑顔になった。

その瞬間、「家族」としての絆がさらに深まった気がした。

帰り道では咲がぐっすり眠っており、その寝顔を見つめながら二人は静かに話した。

「ねぇ、海斗さん。」

奈緒がふと口を開いた。

「ん? どうした?」

「私……本当に幸せです。こんな日が来るなんて思っていませんでした。」

その言葉に海斗は少し驚きながらも微笑んだ。

「俺も同じだよ。でもこれからもっと幸せになろうな。一緒にな。」

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