甘い微熱ーセフレから始まる恋ー
頭を下げた爽の、柔らかいマッシュヘアを見下ろす。

その髪を、わしゃわしゃっと撫でるのが好きだった。


「ごめん…本当に、ごめん…」


より一層頭を深く下げた爽を目の前にしていれば、嫌でも周りからの視線を集めてしまう。


「やめて、こんなところで」


私の声は届いているはずなのに、一向に頭を上げようとしない爽。


「もういいから、頭上げて」


爽の腕を掴み軽く揺すると、漸く爽が頭を上げた。
< 35 / 62 >

この作品をシェア

pagetop