甘い微熱ーセフレから始まる恋ー
私の手元にやってきたコーヒー缶を両手で包み込むと、冷え切った指先にじわりと熱が届く。


「ありがと」


隣で缶を開けた向井くんが、コーヒーに口を付ける。


「…甘」


糖分に眉間に皺を寄せた向井くんの表情に何だか気が抜けて、フッと笑みを溢す。


「やっぱり、交換する?」

「いい」

「そ?じゃあ、遠慮なく」
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