甘い微熱ーセフレから始まる恋ー
でも、だからと言って簡単に許せるものでもない。


「金、貸してたのか?」

「貸してた分もあった」


私の言葉に、全てを口にしなくても頭の回転が早い向井くんは何となく状況を察してくれたと思う。


「お金返されても、許せないし許したくない。でも、爽も私に会いに来るの相当勇気が必要だったと思うし、彼なりの謝罪を受け止めきれない自分の余裕の無さも情けなくて…やるせない。」


未練なんて、全くない。

限界寸前だった自分を保つために出した結論に、後悔もしていない。
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