甘い微熱ーセフレから始まる恋ー
「あっ…すみません」


突然私が足を止めたことでぶつかりそうになった見知らぬサラリーマンに頭を下げ、その後ろを確認する。


特に、私に視線を向けている人は誰もいない。

気のせいだったのかもしれないと思いながらも、拭いきれない違和感を抱いたまま再び足を進めた。


目的のお店に辿り着き、押し扉を両手で開けるとカランコロンとお洒落なベルが鳴り響く。


「いらっしゃいませ」


すぐさま店員さんに声を掛けられたが、広くはない店内で向井くんの姿を見つけるのは容易くて、“待ち合わせです”と言ってカウンター席に腰を下ろした。
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