甘い微熱ーセフレから始まる恋ー
「お邪魔します」


部屋の中に足を踏み入れると、黒が基調のシックな部屋で向井くんらしいと思った。


コートと鞄だけ置くと向井くんに呼ばれ、洗面所とトイレの場所を教えてもらって手を洗う。

部屋に戻るとジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩めた無防備な向井くんが缶ビールを開けていた。


隣に腰を下ろし、袋から缶チューハイを取り出す。

テレビも付けずに二人でお酒を飲む姿は、先程までと場所が変わっただけで何だか拍子抜けだ。


「あっ、そうだ」


鞄に手を伸ばし、すっかり忘れていた物を取り出す。
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