どん底貧乏美女は夢をあきらめない
開所して半年すると、現場管理もできる若い男性が入ってきた。
彼は今年大学を卒業したばかりで、榊のファンらしかった。
榊は週に一度請われて客員として大学の建築学科で講義をしているので、そこの学生らしい。
山本浩平という。
こうして段々人も増えてきた。
もう一人若い女の子が入ってきた。
彼女は経理や事務をパートの由紀子と二人でやることになる。
須藤久美という目がクリっとした可愛い系の23歳。
短大を卒業後、東京の青山にある生命保険会社の事務職をしていたそうだが、一族郎党を保険に入れようとする上司に嫌気がさして、1年で辞めてしまった。
その後はコンビニなどでアルバイトしていたが、もう一度きちんとした仕事をしたいと思い、KAI空間デザイン事務所に入社してきたという。
榊は久美が初出社の日の朝全員を集めて、話をした。
当分はこの5名でやっていきたいので、よろしく頼むと言って、榊代表は深々と頭を下げた。
私たちも、こちらこそよろしくお願いしますと言ってみんなで握手した。
KAIというのは、“心地良く、あなたらしく、生きる空間”を提供したいというのが、語源だそうだ。
つまり頭文字をとったということだ。
KAIは、ハワイ語で海を表す言葉なのでその辺から来ているのかと思っていた美玖は、ちょっと意外だったが、よく考えるといい言葉だなと思ったので、ドアのガラス部分に文字を入れるように提案した。
”KOKOCHIYOKU ANATARASIKU IKIRU空間をデザインする。KAI空間デザイン事務所”
という文字をガラスドアにセンス良く配置してシールを張ってもらった。
皆それを気に入ったようだ。
彼は今年大学を卒業したばかりで、榊のファンらしかった。
榊は週に一度請われて客員として大学の建築学科で講義をしているので、そこの学生らしい。
山本浩平という。
こうして段々人も増えてきた。
もう一人若い女の子が入ってきた。
彼女は経理や事務をパートの由紀子と二人でやることになる。
須藤久美という目がクリっとした可愛い系の23歳。
短大を卒業後、東京の青山にある生命保険会社の事務職をしていたそうだが、一族郎党を保険に入れようとする上司に嫌気がさして、1年で辞めてしまった。
その後はコンビニなどでアルバイトしていたが、もう一度きちんとした仕事をしたいと思い、KAI空間デザイン事務所に入社してきたという。
榊は久美が初出社の日の朝全員を集めて、話をした。
当分はこの5名でやっていきたいので、よろしく頼むと言って、榊代表は深々と頭を下げた。
私たちも、こちらこそよろしくお願いしますと言ってみんなで握手した。
KAIというのは、“心地良く、あなたらしく、生きる空間”を提供したいというのが、語源だそうだ。
つまり頭文字をとったということだ。
KAIは、ハワイ語で海を表す言葉なのでその辺から来ているのかと思っていた美玖は、ちょっと意外だったが、よく考えるといい言葉だなと思ったので、ドアのガラス部分に文字を入れるように提案した。
”KOKOCHIYOKU ANATARASIKU IKIRU空間をデザインする。KAI空間デザイン事務所”
という文字をガラスドアにセンス良く配置してシールを張ってもらった。
皆それを気に入ったようだ。