どん底貧乏美女は夢をあきらめない
「頼むよ。助けると思ってとりあえず
明日から一緒に暮らしてほしい。
俺の恋人として…美玖なら
親父たちも納得するはずだ」

「納得なんかしてもらえませんよ。
私の実家は普通のいえ普通以下の家庭で、
お金も家柄もないですよ。
大反対一直線ですよ」

「そんなことは関係ない。美玖がいいんだ。
美玖しか考えられない。頼むよ」

うん?つまり、こんな突拍子もないことを頼めるのは私しか思いつかないってことか?

ホントに恋人になれるなら、こんなに嬉しいことはないけれど、でも困っている代表を突き放すわけにもいかない。

美玖がどん底にいるときに拾ってくれて、榊のお陰で美玖の夢だったデザインの仕事につけたのだ。

けど、恋人のふりなんて、反対に辛いものがあるのも事実だ。

「わかりました。いつまで恋人のふりを
すればいいんですか?他の三人には、
内緒にはできないですよね」

「ありがとう。美玖。助かるよ。
期間はそうだなあ、ほとぼりが
冷めるまで2~3ケ月かな?」

「了解です。
それでどうしたらいいですか?
土曜日はもう明後日ですよ」

「うん、今から引っ越しだ。
俺の部屋に行くぞ‼」
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