どん底貧乏美女は夢をあきらめない
翌日、大吾のマンションの大吾のベッドで目が覚めて美玖は慌てた。

昨日の夜、食事の後、フレンチレストランのテーブルで、大吾に手を握られながら何か話していたのは覚えているのだが、内容はさっぱり覚えていない。

何か失礼なことを言ってなかったかと心配になったが、今更だ。

美玖の部屋はあるのだが、そこには家でも仕事ができるようにデスクと本棚と美玖が使っていた引き出し式の箪笥があるだけだ。

大きなクローゼットが付いているのだが美玖の貧弱なワードローブではスカスカ状態だ。

寝室は大吾が、一緒でないと恋人なのに別々の部屋では一番に疑われると言うので、大吾の大きなベッドで二人で寝ている。

時々朝起きると大吾に抱きしめられていて目の前に美麗な顔があってびっくりすることがある。

大吾は朝が弱いのでいつも美玖が朝食の用意ができると起こすことになっている。

今日もいつもの時間に目が覚めた美玖はそっと置きだした。

昨日の服のまま眠っていたのでしわくちゃになっている。

シャワーを浴びて洗濯をしながら朝食の用意をした。

今日は日曜日なのだが、大吾はリゾートホテルの件で相手先の会社との初めての面談らしい。

美玖は同行しなくてもいいと言われている。

天気も良い日曜日なのでお布団も干そうと思っていると、朝食を食べながら美玖が言うと、大吾はここは10階なので、風の強い日は絶対干してはダメだと言われた。

そのために広い洗面室に自動で上下する物干し竿がついているので、それに干すようにしているらしい。

大吾はほとんどの物をクリーニングに出していると言うことだ。

コンシエルジェに朝渡しておくと、次の日には部屋まで届けておいてくれるらしい。

美玖もそうするように言われたが、元々貧乏性の美玖がそんな事できるわけがない。

洗えるものは洗いますから大吾にはドライでないといけないものだけ、クリーニングに出すように言った。

美玖がここにいる間は家事は美玖がすると言ったが、美玖も働いているんだから、料理だけしてくれればそれで充分だと言われた。

掃除だけは家事サービスに週に1階お願いするとしてあとは美玖の好きなようにさせて欲しいと言うと大吾は納得してくれた。

お布団を干すのはあきらめて、大吾のいない間に買い物に行くことにした。

お母様たちが来ると言うので、お客様用の物は用意したが普段使いの茶碗や湯飲みマグカップなどがなかった。

あと2~3カ月一緒に暮らすなら普段使いの物も少し買い揃えたかった。

美玖の使っていたものは、100均の食器ばかりだったので、さすがにここには持って来ていない。

事務所でみんなで食べる時には十分なのだが、さすがにここで大吾に使わせるのは失礼だ。

それに、また来るわねと言って帰って行ったお母様がいつ来るかもわからない。

準備を怠るわけにはいかない。

そう思って美玖はさっそく近くのショッピングモールに出かけた。
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