どん底貧乏美女は夢をあきらめない
歩いて20分くらいの所なので、気楽に出かけたが、食器や食材を買って重くなってしまった荷物を両手に持ってフーフー言いながら歩
いていると、パンを焼くいい匂いがしてきた。

前から行きたかったパン屋さんが誘っているようだ、休憩がてらイ―インでパンを食べていく事にした。

クロワッサンが絶品で明日のお昼にクロワッサンでサンドイッチを作ろうとたくさん買ってきた。

バケットもきっとおいしいだろうと思い1本買った。

パンは軽いのだが、嵩張って重い荷物があるのにパン迄買ってしまい。

ひーふー言いながら、疲れ切ってマンションに帰ってきた。

そこでハッと我に返った。

この高級マンションの住民がこんな姿で、つまり“おばちゃんが安売りスーパーに行って大量に買い込んできた”みたいな風情で入って行ってもいいものだろうか?

どうしたものかとアプローチでウロウロ逡巡していると、

「美玖、どうした?何やってんだ」

と大吾の声が後ろから聞こえてきた。

「大吾さんお帰りなさい。よかった。
ショッピングモールに買い物に
行ったんですが、いろいろ買いすぎて、
おまけに途中のパン屋さんで、また
たくさん買い込んでしまって、
こんな状態なんです。まるで、
おばちゃんが特大セールで大量に
買い込んだみたいになってしまって、
こんなよれよれの格好で、おしゃれな
マンションに入っていっていいものか、
悩んでいたんですよ」

「馬鹿だなあ、なに悩んでんだ。
美玖はよれよれでもすっぴんでも綺麗だよ。
堂々と入っていけばいいんだよ。
オーナーの婚約者なんだから」

と言って荷物を持ってくれた。

「なんだこれ。何買って来たんだ。
こんな重い物もって、モールから歩いて
きたのか?なんでタクシーに
乗ってこないんだ」

と大吾に捲し立てられた。

そういいながらどんどん歩いていく
< 36 / 73 >

この作品をシェア

pagetop