どん底貧乏美女は夢をあきらめない
それというのも、母の実家が大島で祖母が椿油の生産会社で働いていて安く手に入るそれを毎月たくさん送ってきてくれたからなのだ。

今でも祖母は元気に働いている。

美玖にも毎月椿油と大島産の干物や野菜を送ってくれているので、美玖の節約生活の心強い味方だ。

美玖が大学に通うために東京で一人暮らしを始めてから、祖母は毎月必ず送ってくれる。

大学を卒業して、就職しても相変わらず毎月の野菜や干物の仕送りは続いていて、とてもありがたい。

命綱と言っても過言ではない。

そして、時々お小遣いと書いた茶封筒が入っていて1万円が入っているのだった。

そんな時は、ありがたくて自分は一人じゃないと思える瞬間だ。

大切な家族が応援してくれているのだから、少しくらい辛くても泣き言なんか言ってられない。

貧乏暮しでも何が悪い!夢を追いかけて実現するまでは決してあきらめないし、前向きに頑張るのだと気合が入る。

祖母が一生懸命働いた大事なお給料から送ってくれる小遣いを、使う気になれなくていつもそのまま引き出しにしまっている。

そのお礼にとお金が貯まると東京でマフラーやおしゃれなスカーフを買って、祖母に送っている。

祖母はそれを友達に自慢しているらしい。

なかなか大島まで顔を見に行けないのだが、最近携帯を持つようになり写真を送ったりできるようになったらしくよく大島の風景の写真を送ってきてくれる。

働く会社のおばあちゃん仲間と撮った写真では美玖の送ったマフラーを首に巻いて大きな口を開けて笑っている元気な祖母の顔を見て、美玖は元気をもらっている。

美玖はそんな祖母が大好きだ。

美玖の性格の明るく元気であまり小さなことにこだわらない性格はきっと祖母から受け継いだに違いないとひそかに思っている。
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