どん底貧乏美女は夢をあきらめない
美玖の実家は長野の田舎、父はそこで教師をしている。
母は自宅の広い庭で野菜を育てて農協にも卸すほどだが、生活は豊かではなかった。
4歳と6歳下の弟たちはかわいくて家族の仲は良かった。
ただ3人も大学に通わせるほどの余裕はなかったので、美玖は親に頼ることなく自分で奨学金制度を利用して、授業料の安い国立を受けるために、高校では勉強に徹した。
美玖は記憶力が良かった。
カメラアイとまではいかなくても、物を絵として覚えることが得意だった。
意識して覚えないとできないのだが、受験勉強や資格試験には十分役立った。
そうして自分の好きな建築の勉強ができる国立の工業大学の建築学科に入学したのだ。
就職後は奨学金の返済や、弟たちの学費のために家に仕送りもしていたので、家賃を払って残る生活費は微々たるものだ。
自分のおしゃれや遊びに使うお金はほとんどない。
自炊をして昼はお弁当を作っていたので、元々好きだった料理の腕前は上がったと思っている。
節約料理に限るが、実家と祖母から送られてくる野菜を使ったオリジナルの献立には自信がある。
服は着回しがうまくなった。
雑誌のおしゃれ特集などを研究し、パンツ2本、ジーンズ1本、ジャケット3枚、スカート2枚、春夏用のカットソー3枚、秋冬用のセーター3枚、コートが1着、ダウンのハーフコートが1着、冠婚葬祭にも対応可能なリクルートスーツ(大学の時の物)1着の計18枚の服が美玖の全ワードローブだ。
それを色々組み合わせたりスカーフなどの小物を取り入れて着回しているのだが、秘書仲間には“お洒落な夢野さん“と言われていた。
美玖は苦笑しか出なかったが、必要に迫られて秘書として見苦しくならないように、少ないワードローブの中身を苦心していただけだ。
母は自宅の広い庭で野菜を育てて農協にも卸すほどだが、生活は豊かではなかった。
4歳と6歳下の弟たちはかわいくて家族の仲は良かった。
ただ3人も大学に通わせるほどの余裕はなかったので、美玖は親に頼ることなく自分で奨学金制度を利用して、授業料の安い国立を受けるために、高校では勉強に徹した。
美玖は記憶力が良かった。
カメラアイとまではいかなくても、物を絵として覚えることが得意だった。
意識して覚えないとできないのだが、受験勉強や資格試験には十分役立った。
そうして自分の好きな建築の勉強ができる国立の工業大学の建築学科に入学したのだ。
就職後は奨学金の返済や、弟たちの学費のために家に仕送りもしていたので、家賃を払って残る生活費は微々たるものだ。
自分のおしゃれや遊びに使うお金はほとんどない。
自炊をして昼はお弁当を作っていたので、元々好きだった料理の腕前は上がったと思っている。
節約料理に限るが、実家と祖母から送られてくる野菜を使ったオリジナルの献立には自信がある。
服は着回しがうまくなった。
雑誌のおしゃれ特集などを研究し、パンツ2本、ジーンズ1本、ジャケット3枚、スカート2枚、春夏用のカットソー3枚、秋冬用のセーター3枚、コートが1着、ダウンのハーフコートが1着、冠婚葬祭にも対応可能なリクルートスーツ(大学の時の物)1着の計18枚の服が美玖の全ワードローブだ。
それを色々組み合わせたりスカーフなどの小物を取り入れて着回しているのだが、秘書仲間には“お洒落な夢野さん“と言われていた。
美玖は苦笑しか出なかったが、必要に迫られて秘書として見苦しくならないように、少ないワードローブの中身を苦心していただけだ。