どん底貧乏美女は夢をあきらめない
由美子は松濤のマンションの図面も持って来ていた。

彼女は結婚しておらず商売に一生懸命になったいたら婚期を逃したと言ってケラケラと笑っていた。

「でも、久美が結婚して子供達の事も
構わせてくれたから、大吾君と昇平君は
自分の息子みたいに可愛いのよ。
それにね、久美の天真爛漫なところも
大好きなのよ」

そう言って優しく微笑んだ。

違いない義母は天真爛漫で天然のマイペース悪く言えば我儘な少女のような人だ。

由美子さんはほんとに素敵なマダムで実業家としても成功している大人の落ち着きのある女性だ。

きっと、義母の天真爛漫で何も考えていない天然の人たらしに癒されているのだろう。

全然性格の違う二人だが、なぜかしっくりとなじみ親友と言う訳が分かる気がした。

大吾や弟の昇平が小さなときは、よく由美子の運転で四人で軽井沢や蓼科などの別荘に連れて行ってもらったと大吾も懐かしそうに話していた。

そうして、図面を見ながらリノベーションの案を練る。

由美子はパリが大好きなのだと言った。

内装は疲れて帰って来た時にパリを感じさせるおしゃれな空間がいいと言う希望だった。

由美子が帰った後、美玖はじっと考え込んでいた。

大吾はそんな美玖の様子を怪訝に思って

「美玖どうしたんだ。
そんなに黙り込んでなに考えてんだよ」

と心配そうに美玖の顔を覗き込んで言った。
< 57 / 73 >

この作品をシェア

pagetop