キミと桜を両手に持つ
「花園さん!? だ、大丈夫!?」
「わたし、どうしても如月さんに聞きたいことが──…」
と言いながら今度は全体重をかけて寄りかかってきた。
お、重〜い! これ、一体どうすればいいの? 一旦彼女を連れて居酒屋に戻る……!?
「おねぇさん達、大丈夫?俺らが手伝ってあげようか?」
花園さんを支えながら狼狽えていると、近くにいた変な男達がニヤニヤしながら近寄って来た。彼らをキッと睨んで、
「結構です!!」
と叫ぶと、後ろからクツクツ笑う声が聞こえてきて急に寄りかかっていた花園さんの体重が軽くなった。
「申し訳ありません。花園がご迷惑をおかけしてしまって」
「神楽坂さん……」
彼は私とは反対側の彼女の腕を掴むと酔っ払って半分寝ている彼女を支えた。
「……困りましたね。彼女がどこに住んでいるのか知らないし、かと言ってこんな状態の彼女を男である俺の家に連れて帰るわけにもいかないし……。如月さんの家はここから近いですか?」
「……いえ、そんなに近くはないんです」
もし近かったとしても流石に彼女を私と藤堂さんの家に連れて帰る選択肢はない。
「そうですか……」
彼はしばし考えた後、
「ではこの近くに確かビジネスホテルがあるので、とりあえずそこで休ませましょう。でも流石に俺一人だと後で問題になるとまずいので如月さんも一緒に来ていただけないでしょうか?」
いくら会社の上司とはいえ、男である彼が酔っている部下の女性をホテルに連れ込めばどう見られるかぐらい想像できる。
「もちろんです」
「本当に助かります。ありがとうございます」
彼は申し訳なさそうにすると、「じゃ、行きましょう」と言って花園さんを支えながら歩き出した。