キミと桜を両手に持つ
「わ、私も一樹さんを愛してる。一樹さん以外誰も考えられない。一生一樹さんの側にいて幸せにすると誓います。どうぞよろしくお願いします」
泣きながら微笑むと彼は私を強く抱きしめた。そしてポケットから小さな箱を取り出すと、ゆっくりと開けて指輪を取り出した。それはダイヤの粒が散りばめられたフルエタニティリングで、あまりの美しさに息をのむ。
彼は私の左手をそっと取ると薬指にエンゲージリングをゆっくりと滑らせた。オーダーメイドのリングなのか私の指にピタリとはまる。
彼は指輪のはまった左手を持ち上げると指輪に優しく口付けした。フルエタニティリングの「永遠に愛し続ける」との彼の覚悟が込められている気がして再び涙が溢れてくる。
彼は私の顔を両手で包み込むと、親指で涙を拭った。そして優しく微笑むとそっと唇を重ねた。
「一緒に幸せになろう」