無口な脳外科医の旦那様、心の声(なぜか激甘)が漏れてます!
目が合った瞬間私ははっきりと口にした。直後、克樹さんのアーモンド型の瞳が大きく開く。
声は出さなかったものの、いつだって静かな湖面のように揺らがない彼がはっきりと動揺を示したのだ。
その反応は意外のひと言だった。
彼のことだから離婚を告げても「分かった」のひと言で済ませてさっさと席を立つだろうと思っていたから。
さすがに離婚は彼にとっても衝撃的なことだったのか……それにしても、はいともいいえとも反応がない。
もしかして離婚するかしないか迷っている?
しばらく待ったが克樹さんが発言しそうにないので、しびれを切らした私は予定通り自分の主張をすることにした。
「いきなりの離婚話で驚いたかもしれないけど、お互いの為にも離婚した方がいいと思うの」
「……なぜ?」
ようやく短い言葉が返ってきた。
「もう少しで結婚一年になるのに私たちは夫婦として歩み寄ることができなかったでしょ? 政略結婚でろくに交際期間がなかったから距離を縮めるのに時間がかかるのは仕方ないけど、私たちは結婚に対する考え方が根本的に考え方が合わないみたい。無理に夫婦でいるより別れた方がお互いの為だと思う」
「俺はそうは思わない」
今度はすぐさま否定されてしまった。
私の話を聞いてなかったのでは? と思うくらいの即断に不満がこみ上げる。
いやでも私の言葉が足らなかったのかもしれない。
「もう一度真剣に考えてほしいの。私は縁が有って家族になったのだから楽しくて幸せな家庭を築きたいと思っていたからそのための努力もしていたつもり。でも克樹さんはそんな気は全然ないでしょう?」
「それは違う」
声は出さなかったものの、いつだって静かな湖面のように揺らがない彼がはっきりと動揺を示したのだ。
その反応は意外のひと言だった。
彼のことだから離婚を告げても「分かった」のひと言で済ませてさっさと席を立つだろうと思っていたから。
さすがに離婚は彼にとっても衝撃的なことだったのか……それにしても、はいともいいえとも反応がない。
もしかして離婚するかしないか迷っている?
しばらく待ったが克樹さんが発言しそうにないので、しびれを切らした私は予定通り自分の主張をすることにした。
「いきなりの離婚話で驚いたかもしれないけど、お互いの為にも離婚した方がいいと思うの」
「……なぜ?」
ようやく短い言葉が返ってきた。
「もう少しで結婚一年になるのに私たちは夫婦として歩み寄ることができなかったでしょ? 政略結婚でろくに交際期間がなかったから距離を縮めるのに時間がかかるのは仕方ないけど、私たちは結婚に対する考え方が根本的に考え方が合わないみたい。無理に夫婦でいるより別れた方がお互いの為だと思う」
「俺はそうは思わない」
今度はすぐさま否定されてしまった。
私の話を聞いてなかったのでは? と思うくらいの即断に不満がこみ上げる。
いやでも私の言葉が足らなかったのかもしれない。
「もう一度真剣に考えてほしいの。私は縁が有って家族になったのだから楽しくて幸せな家庭を築きたいと思っていたからそのための努力もしていたつもり。でも克樹さんはそんな気は全然ないでしょう?」
「それは違う」