成瀬課長はヒミツにしたい【改稿版】
真理子が働くサワイライト株式会社は、イルミネーションライトを製造販売する会社だ。
元々はお祭りや夜店で売られている、電飾の玩具を作る会社だったが、先代社長の急逝を受けて後を継いだ現社長が、イルミネーションライトの会社へと方向転換した。
今でも電飾の玩具は製造しているが、その割合は年々減少傾向にある。
「これ、気に入ってたんだよね……」
真理子はデスクに置いている、電飾のおもちゃを手に取る。
プラスチック製のそれは、王冠の形をしていて、ボタンを押すと真ん中のライトが赤・黄・緑と点滅して光るもので、30年程前からサワイライトが作っている人気商品だ。
底にはクリップがついていて、子供でも簡単に髪に飾ることができ、真理子が子供の頃からずっと大切にしているものだ。
夜祭りの時、ピカピカと光るこの王冠をつけて歩くと、自分が特別な存在になったみたいで嬉しかった。
「あ、それ……」
卓也が何か言おうと声を出した時、「新チームメンバーの人、打ち合わせ始めます」という声がフロア内に響く。
真理子は慌てておもちゃをデスクに置くと、卓也と共に会議室に向かった。
◆
「突然の招集で驚いた方もいるかも知れませんが、このチームは社長の指示で立ち上げたものです。そのため、リーダーは私にはなっていますが、最終的な判断はすべて社長が行います」
緊張した面持ちのメンバーの前で、成瀬の低い声が会議室内に響いた。
「我が社は数年前、電飾玩具の製造メーカーから、イルミネーションライトの製造メーカーへと方向転換しました。主には大型の商業用イルミネーションが中心ですが、今後は個人客をターゲットにした小型のものにも手を広げていく予定です」
真理子は手元の資料に目を落とす。
電飾玩具の時代からの流れで、取引先のほとんどは卸の業者など、対企業になっている。
個人の顧客への販路は、今までは持っていなかった。
「そのための、自社オンラインショップってことか……」
真理子は、子供の頃から電飾玩具が大好きで、サワイライトは憧れの会社だった。
特に、あの王冠のおもちゃは、真理子にとって宝物だ。
『この会社で働きたい』
その思いを胸に、採用試験を受けたのだ。
元々はお祭りや夜店で売られている、電飾の玩具を作る会社だったが、先代社長の急逝を受けて後を継いだ現社長が、イルミネーションライトの会社へと方向転換した。
今でも電飾の玩具は製造しているが、その割合は年々減少傾向にある。
「これ、気に入ってたんだよね……」
真理子はデスクに置いている、電飾のおもちゃを手に取る。
プラスチック製のそれは、王冠の形をしていて、ボタンを押すと真ん中のライトが赤・黄・緑と点滅して光るもので、30年程前からサワイライトが作っている人気商品だ。
底にはクリップがついていて、子供でも簡単に髪に飾ることができ、真理子が子供の頃からずっと大切にしているものだ。
夜祭りの時、ピカピカと光るこの王冠をつけて歩くと、自分が特別な存在になったみたいで嬉しかった。
「あ、それ……」
卓也が何か言おうと声を出した時、「新チームメンバーの人、打ち合わせ始めます」という声がフロア内に響く。
真理子は慌てておもちゃをデスクに置くと、卓也と共に会議室に向かった。
◆
「突然の招集で驚いた方もいるかも知れませんが、このチームは社長の指示で立ち上げたものです。そのため、リーダーは私にはなっていますが、最終的な判断はすべて社長が行います」
緊張した面持ちのメンバーの前で、成瀬の低い声が会議室内に響いた。
「我が社は数年前、電飾玩具の製造メーカーから、イルミネーションライトの製造メーカーへと方向転換しました。主には大型の商業用イルミネーションが中心ですが、今後は個人客をターゲットにした小型のものにも手を広げていく予定です」
真理子は手元の資料に目を落とす。
電飾玩具の時代からの流れで、取引先のほとんどは卸の業者など、対企業になっている。
個人の顧客への販路は、今までは持っていなかった。
「そのための、自社オンラインショップってことか……」
真理子は、子供の頃から電飾玩具が大好きで、サワイライトは憧れの会社だった。
特に、あの王冠のおもちゃは、真理子にとって宝物だ。
『この会社で働きたい』
その思いを胸に、採用試験を受けたのだ。