成瀬課長はヒミツにしたい【改稿版】
サプライズプレゼント
真理子と成瀬が気持ちを通わせてからしばらく経ったある週末、二人はあの自然公園と遊園地が一緒になった、大型のテーマパークに来ていた。
今日は乃菜と社長に誘われて遊びに来たのだ。
真理子は眩しい日差しに目を細めながら、バスケットを持つ手にぎゅっと力を入れる。
中には、サンドイッチと成瀬家秘伝の唐揚げが入っている。
――乃菜ちゃん、柊馬さん特製の唐揚げ、喜んでくれるかなぁ。
今朝は早起きをして、成瀬と一緒にお弁当を手作りしてきたのだ。
「乃菜ちゃんたち、もう着いてますかね」
真理子はウキウキと弾む声を出すと、成瀬の横顔を見上げた。
「もう入口に、いるみたいだな……」
スマートフォンを見ながら答える成瀬の様子は、どことなくよそよそしい。
真理子は首を傾げながらも、すぐ目線の先に大きく手を振っている乃菜と社長の姿を見つける。
真理子も手を振り返すと、持っていたバスケットを大きく掲げた。
「か・ら・あ・げ、持ってきたよー」
声が聞こえた途端、「ひゃっほー」と叫んで飛び跳ねる乃菜の姿が見える。
真理子たちが入口に到着すると、すぐに乃菜が両手を広げて飛び込んできた。
「ねぇ。さきに、からあげ、たべていい?」
乃菜はバスケットを覗き込んだまま、成瀬のシャツの裾をグイっと引っ張る。
「おい、来たばかりだぞ。昼まで待てないのか?」
「まてないよーだ。とうたんのけちー」
乃菜は真理子からバスケットを受け取ると、それを持ったまま走り出す。
「あんな口きいて。こら! あぶないだろ」
成瀬はため息をつきながら、レジャーシートの入った鞄を真理子に手渡すと、乃菜を追いかけて、公園の奥へと走って行った。
真理子は社長と顔を見合わせると、笑い声をあげながら二人を見送る。
「今日はありがとうございます。ピクニックに誘っていただいて」
パークの中を進みながら、真理子が隣を振り返ると、社長は嬉しそうにニッコリとほほ笑んでいた。
「今日は乃菜と、ばっちりスケジュール立てたから、楽しみにしててね」
胸を張って自信満々に言った社長の言葉通り、その日は一日パーク内を遊び倒すように隅々まで巡った。
乃菜のハイペースに、くたくたになりながらも、こんなに日常を忘れて楽しく過ごしたのは久しぶりだ。
夕方になり、真理子は笑いすぎて筋肉痛になっている頬を撫でながら、ベンチに腰を下ろした。
隣には、笑顔で髪をかき上げる成瀬が座っている。
すると、満面の笑みの乃菜と社長が、真理子たちの前に立った。
「そろそろイルミネーションが点灯する時間だから、二人でこのチケットを持って行ってきてね」
このテーマパークでは、つい最近一年中イルミネーションが楽しめるようになった。
真理子は、社長に手渡されたチケットをまじまじと見つめる。
そこには、以前来た時にも入ったイルミネーションとプロジェクションマッピングのコラボレーションのお城の写真が載っていた。
今日は乃菜と社長に誘われて遊びに来たのだ。
真理子は眩しい日差しに目を細めながら、バスケットを持つ手にぎゅっと力を入れる。
中には、サンドイッチと成瀬家秘伝の唐揚げが入っている。
――乃菜ちゃん、柊馬さん特製の唐揚げ、喜んでくれるかなぁ。
今朝は早起きをして、成瀬と一緒にお弁当を手作りしてきたのだ。
「乃菜ちゃんたち、もう着いてますかね」
真理子はウキウキと弾む声を出すと、成瀬の横顔を見上げた。
「もう入口に、いるみたいだな……」
スマートフォンを見ながら答える成瀬の様子は、どことなくよそよそしい。
真理子は首を傾げながらも、すぐ目線の先に大きく手を振っている乃菜と社長の姿を見つける。
真理子も手を振り返すと、持っていたバスケットを大きく掲げた。
「か・ら・あ・げ、持ってきたよー」
声が聞こえた途端、「ひゃっほー」と叫んで飛び跳ねる乃菜の姿が見える。
真理子たちが入口に到着すると、すぐに乃菜が両手を広げて飛び込んできた。
「ねぇ。さきに、からあげ、たべていい?」
乃菜はバスケットを覗き込んだまま、成瀬のシャツの裾をグイっと引っ張る。
「おい、来たばかりだぞ。昼まで待てないのか?」
「まてないよーだ。とうたんのけちー」
乃菜は真理子からバスケットを受け取ると、それを持ったまま走り出す。
「あんな口きいて。こら! あぶないだろ」
成瀬はため息をつきながら、レジャーシートの入った鞄を真理子に手渡すと、乃菜を追いかけて、公園の奥へと走って行った。
真理子は社長と顔を見合わせると、笑い声をあげながら二人を見送る。
「今日はありがとうございます。ピクニックに誘っていただいて」
パークの中を進みながら、真理子が隣を振り返ると、社長は嬉しそうにニッコリとほほ笑んでいた。
「今日は乃菜と、ばっちりスケジュール立てたから、楽しみにしててね」
胸を張って自信満々に言った社長の言葉通り、その日は一日パーク内を遊び倒すように隅々まで巡った。
乃菜のハイペースに、くたくたになりながらも、こんなに日常を忘れて楽しく過ごしたのは久しぶりだ。
夕方になり、真理子は笑いすぎて筋肉痛になっている頬を撫でながら、ベンチに腰を下ろした。
隣には、笑顔で髪をかき上げる成瀬が座っている。
すると、満面の笑みの乃菜と社長が、真理子たちの前に立った。
「そろそろイルミネーションが点灯する時間だから、二人でこのチケットを持って行ってきてね」
このテーマパークでは、つい最近一年中イルミネーションが楽しめるようになった。
真理子は、社長に手渡されたチケットをまじまじと見つめる。
そこには、以前来た時にも入ったイルミネーションとプロジェクションマッピングのコラボレーションのお城の写真が載っていた。