イマドキ♡
「あれ、全然人がいませんね。もうすぐ授業が始まるっていうのにどこに行ったのかしら!?あら、さすがは野々さん、席に着いてるわね・・・・って!!桜木さん、何やってるんですか!?なんでいるんですか!?」

先生は目を見開き、慌てて教卓に持っていた教科書やペンポーチを置き、佑都さんの方へ駆け寄っていった。
まぁ、それも普通の反応。だって、もう帰ったと思ってたらまだ居て、しかものんびり席に座ってるんだもん!
さっきまで慌ててたのに、慌てていたのって演技だったのっ!?


「ご、ごめんなさいっ。あの、どうやら、ゆ、佑都さんがっ・・・その、こ、ここに忘れ物を、してしまったらしいんですけどっ・・・・だから、戻ってきていて・・・も、もう忘れ物は見つけて今から帰ろうってところでっ・・・・」

しどろもどろになりつつも必死に説明しているけど、栗村先生はもっと眉間にしわを寄せるばかり。


頭の切れる佑都さんならいい説明、弁解ができるんじゃないかと、一縷の望みをかけて、佑都さんの方を見た。

すると、佑都さんはイタズラっぽく笑みを浮かべたかと思えば弾む声で言った。


「俺、蜜華と、付き合ってるんで。告るために残ってました」


な・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ!?!?
何言ってるの、この人っ!?


「せ、先生っ、ごめんなさいっ!!」

私は慌てて立ち上がり、佑都さんを無理矢理、教室から追い出した。


だけど、私、そんな君も、嫌いじゃないよ。
こういうのを、トキメキっていうんだろうか。
・・・・なーんてね

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