由良くん、愛さないで
╰𒀭ॱ˖
「今日から新しくこの学園に通う生徒を紹介します。橋呉さん、入ってきてください」
上品な白いスーツに身を包み、眼鏡をかけキリッとした雰囲気の女の先生が廊下にいたわたしを呼ぶ。
わたしは言われるままに教室に入り、今日から共に勉強するクラスメイトと向き合った。
ぐるっと教室全体に視線を配り、ある人物を見つける。
教室の後方、窓際の席で頬杖をついて気だるそうにしている男。
─────アレだ。
楪葉由良。
あの男を、わたしはこれから殺す。
いつになるかわからないけれど、確実に息の根を止める。
主様の意志は、わたしの意志。
主様から与えられた任務を果たさなければ、その先にどんな制裁が待っているかわからない。