悪女だってヒロインになりたいんです。
「その子は男の子?」

「え?いや、女の子だよ」


坂上くんはなぜか驚いたように目を見開いていた。


「じゃあバイト終わりによく七瀬さんのこと迎えに来てる男の子は彼氏?」

「え、いやいやいや!彼氏じゃないよ。棗…その人は、友達…っていうか、隣の席で色々と関わることも多いだけというか…」


たしかに、私と棗の関係って一体なんなんだろう?

友達だなんて呼んだら怒られる気がするけど、バイト終わりにわざわざ迎えに来てくれる優しさも向けてくれるわけだし、仲は良くなってきているよね…?


「友達って、なに…?」

「ええ?そこから?」


坂上くんが苦笑していてハッと我に返る。

思わず口にしてしまったけど、とんでもなく恥ずかしいことを言ってしまった。

今まで友達と呼べる友達がいたことがないからわからなくなってしまったのだ。


「うーん、たとえば俺と七瀬さんの関係も友達だと思うけどね?話してて楽しいって思ったり、もっと知りたいなって思ったりしたらもう友達でいいんじゃないかな」
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