眠り王子と夢中の恋。
『どうしてここに……』
『え?』
母が顔を上げた。
『つかぬことをお聞きいたしますが……私はなぜここにいるのでしょうか?』
『ミヤ……』
『私は今まで……何をしていたのですか?
私は、ミヤという人物なのですか?』
すると母は呆然としたまま硬直した。
その後飛び込んできた医者に容体などを聞かれ、全てに『大丈夫です』と必要最低限の返事をした。
そして私は鈴崎美夜という中学一年生の少女で、1ヶ月前からこの病院で昏睡状態であったことを聞かされた。
『美夜さん、君はある大きなショックから今までの大部分の記憶が抜け落ちてしまったんだ。何があったのかはお母様に言わないように頼まれたから、僕から言うことはできないんだけどね』
最後にそう伝えられ、母と家に向かった。