眠り王子と夢中の恋。
「ははっ、美夜はなんでも流されるよなー」

「……仕方ないじゃないですか。真剣に頼みこまれたら断れませんよ」

「お人好しなんだって。
はぁ、なんか心配になってきたな……夜の街とか歩くなよ」

「なんのために夜の街を歩くんですか。
私がそんな無駄なことするはずないでしょう?玲音は心配性すぎます」

「あははは」

バカにされてる、と少しムッとしてしまう。

「じゃあ、その小春さんたちとも仲良くやれそう?」

「……はい、少しうるさくなりそうですが……」

「それなら安心だな」

「どこがですか」

クスクスと笑う玲音。
私としては一人が気楽なのに……

いや、でもやはり玲音といるのが一番楽だ。
変な気を遣わなくてもいい。

ずっとここにいたいのに。

でもいつもタイムリミットがきて、
鐘が鳴り響く──。
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