眠り王子と夢中の恋。





「じゃあねーっ」

「また明日!」

「この後あいてるー? 遊び行こ!」

「じゃ、部活行ってくる〜」



人々でざわめく廊下を玄関に向かって歩く。



「あ、鈴崎さんだ」

「本当だ、マジで無表情じゃん」

「正直言ってさ、キモいよね」

「ちょっとー、声大きいって!」



朝と同じ光景。
毎日変わらない光景。

中学二年生くらいからはずっとこれだ。


高校に入ってから何か変わるかと思っていたけれど、私を目の敵にしているらしい小春が中学に引き続き同じ高校になったので噂が広まってしまった。

そのせいで学校中どこへ行っても変な視線が止まず、私にとって居心地が悪い以外の何でもない。

変な期待をした私がバカだったと思う。


玄関で靴を履き替えて外に出る。

……暑い。軽く目眩がする。
そういえば、今は7月上旬だったか。

あまりの暑さにおかしくなってしまいそう。

倒れたりする前にはやく帰らなければ。

既に額にうっすらと浮かんだ汗をハンカチで拭き、足を踏み出す。

ふと校庭を見ると、ランニングしているサッカー部が目に入った。


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