眠り王子と夢中の恋。
そして、私と玲音は両思いだった。

よく考えたら、人一倍警戒心が強いと自負している私が突然会った玲音のことを好きになるはずがなかった。

『何があっても守り抜く』

いつか、頭痛とともに流れた誰かの声。
これは事故の直前に囁かれた愛する人の声だった。

そして私の事を弾き飛ばしたのは車ではなく玲音だ。

私を庇うために突き飛ばし、代わりに事故に遭った。

その時に私が頭を打ったせいで、長い間その記憶を忘れることになった……。

玲音は事故に遭った12歳からずっと眠っているから、夢界にいたんだ。

3年間一人でいたところに突然私が紛れ込み、お互い初めて会った人なんだと思いながら時を過ごしていた──。

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