眠り王子と夢中の恋。
ずっと前から好きだったのに。

恋焦がれた人なのに。

あんなに大切にしてくれた幼なじみなのに。

いつも側にいたのに、私たちは気づかなかった。

ソファの上で硬直している私に、璃來さんが声をかけた。

「玲音はね、本当に心の底から美夜ちゃんの事が好きだったのよ。いつも口を開けば美夜が〜って話してきたし」

その時を思い出すかのように、ふふっと笑った。

「それにきっと、美夜と玲音くんは夢の中で会う運命だったんだよ」

璃來さんの横で兄が微笑んだ。

「初めて夢で玲音くんに会った日って、話によると美夜が頭痛で学校休んだ日だろ?
その日、事故からちょうど3年の日だったんだよな」

「……え?」

事故から、ちょうど3年……?

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