眠り王子と夢中の恋。
その時、今までになかったような莫大な使命感が体を駆け巡った気がした。

「璃來さんっ!」

「えっ……え?」

「私、行きます。
病院を……玲音の病院を教えてください!」

「美夜ちゃん……」

数秒固まった後、璃來さんは微笑んだ。

「駅の近くの総合病院で眠っているわ」

「ありがとうございます!」

私はリビングから飛び出し、扉に手をかける。

「永遠の王子を助けに行ってあげてね、姫」

璃來さんの声が最後に聞こえた。
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